願う場所、望む奇跡



その日、初めて3人そろっての夕食になった。

いつもの夕食なのに、落ち着かなかった。

それは、13年間ずっと女同士で生活をしてきた。

その中に弟とは言え、異性が入ったからだ。

別に、学生時代を女子高で過ごした訳ではないのに、ふつうに接することが出来ない。

こんなイケメンが、今まで周りにいなかったせいだ。


落ち着かないのは、部屋に戻ってからも同じだ。

隣から物音がすると、ドキッとしてしまう。

今まで無人だた隣は、義哉の部屋になった。

そのため、今までしなかった物音がする。

これも、人がいることに慣れていないせいだ。


これから、毎日一緒にいるんだ。

少しずつでも慣れていくんだろうと思った。



「えー!?夏希先輩って、今井義哉くんのお姉さんだったんですか!?」



翌日、会社に行って1番仲が良い林莉亜に事の経緯を話した。

莉亜とは高校の時、同じ部活の先輩後輩の仲。

社会人になった今でも、同じ会社のため仲が良い。



「彼を知っているの?」




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