願う場所、望む奇跡



車の中では、どうすることも出来ない。

とにかく私は、黙って座っているしかないんだ。


車に乗って約20分、どこかの駐車場らしきところについた。

車が停止後、松本くんが出るので私も慌てて降りた。

降りたはいいけど、ここがどこか分からない。

何も言わずに歩き出す松本くんに、黙ってついて行くしかないらしい。


周りをキョロキョロしながらもあとをついて行き、ある部屋に入った。

入口に立ったままになっていたけど、松本くんが入って行ったから同じく入った。

普通にベッドもあり、テレビもある。

ここは、どこかのホテルだろうか。


ベッドに座りネクタイを緩める松本くんに対して、私は立ったまま。

どうしていいのか分からない。



「座ったら?」



ベッドの上をポンッと叩いて座るよう促す。

どうしようか迷っている私を、じっと見つめている。

それにいたたまれなくなって、松本くんの隣を少し空けてベッドの上に座った。

なんか、見慣れないモノも置いてある。




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