願う場所、望む奇跡
真っ直ぐ見つめられて、1人分ぐらい空いていた隙間はいつの間にかなくなっていて、ベッドに置いた手にそっと手を重ねられた。
それが、徐々に握られていった。
告白された。
今まで同期だと思っていた人に。
そんな風に想われているなんて、気づきもしなかった。
本当に仕事仲間としか思っていなかったのに。
「今井さんが俺のこと、そういう目で見ていないのは分かっていた。だから、長期戦でいこうと思っていたのに」
相変わらず鋭い視線が、私に突き刺さる。
どう言葉を返していいのか分からない。
「好きなヤツが出来るのは想定外。それも、弟だとは考えなかった」
私自身も想定外のことだ。
いずれは誰かを好きになって、莉亜に相談に乗ってもらいながら慣れない恋愛をしていくんだと思った。
「だけど、誰にも言えないよ。この先、苦しむしかないんだよ」
そんなこと、他人に言われなくても分かっている。
イヤ、実際はどこまで分かっているのか分かっていないのかもしれない。