願う場所、望む奇跡



バレたら、誰にどれだけ迷惑かけるとか分からない。

だけど、本人にも家族にも友達にも言えない。

消化出来ない想いとこの先付き合い続けなきゃいけない。

そして、義哉に彼女が出来た時、私は何も言えない。

気持ちを押し殺して祝福しないといけない。

そんなこと、出来るのだろうか。



「でも、苦しまない方法があるよ」


「え?」



その方法に興味を示したとたん、私の体はベッドに押し倒された。

そして、松本くんが馬乗りになって私は身動きが取れなくなる。



「え?あ、何で……?」



全然状況が分かっていない私は、抜けだそうと体を動かすけど、少しも動かない。

そのうち、両手もベッドに押し付けられる。



「俺が忘れさせてやる」


「え……?」



そう言葉が降ってきたかと思えば、松本くんの顔が間近に来ていた。

あ、と思った瞬間、唇に生暖かい感触があった。



「っ……ん」




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