願う場所、望む奇跡
息つく暇もないぐらい、長く深いキス。
押しのけたくても、両手がベッドに押し付けられていてそれも出来ない。
だんだん力が抜けていくほどの甘い情事。
何を考えればいいのか分からなくなる。
「俺と付き合えばいいんだ。そうすれば、忘れる」
唇が離れたあと、優しくそう言われた。
「だから、逃げるなよ。力を抜いて、俺に任せればいいから」
そう言って、首筋に顔を埋め舌を這わせる。
松本くんが何を言っているのか、私の頭では理解が出来ない。
この先のことが分からない。
怖くて逃げたいのに逃げられない。
抜け出そうと手に力を込めるも、松本くんの甘い行動によりすぐに力が抜けてしまう。
「まぁ、逃げられる訳ないよ。気づいていないみたいだけど、ここラブホだし」
「は?ラブホ?」
来たことはないけど、存在は知っている。
それを目的で来るとこだって。
え、じゃあ、まさか……!?