願う場所、望む奇跡
無駄に広い会議室中にひろがるくらいの大きな声。
なぜ驚いているのか不思議だ。
知っていることも不思議に思って聞くと、もっと驚いた顔をする。
「夏希先輩、知らないんですか!?今、南高で1番モテるイケメンですよ?」
「え、そうなの?」
イケメンだとは思ったけど、まさかそこまでとは思わなかった。
ちなみに、南高とは私たちの母校で今でも交流があるため情報は入るらしい。
私は、義哉が南高だなんて初めて知ったけど。
「なんて言ったって、先輩、後輩関係なく狙っているって噂ですよ」
やっぱり、信じられなかった。
そんな人が自分の弟だなんて。
「今度、先輩の家に行きますね!恋愛対象ではないですけど、モテる男には興味がありますから」
笑顔でそんなことを言う莉亜には、高校の時から付き合っている彼氏がいた。
そんなに見たいものかな。
彼氏がいるんだから、他の男に興味なんて持たなくてもいいんじゃないのかな。