願う場所、望む奇跡
ある時気になって、父がいない時に手紙を見た。
差出人は、母親だった。
手紙の内容は、姉の成長に関してと俺の様子についてだった。
これを見る限り、どうして別れたのか不思議になった。
今でもお互い想い合っているように見えるのに。
そして、たまたま見つけた1枚の写真。
それは、姉の夏希だった。
その写真を見たとたん、無性に逢いたくなった。
そう思った俺は、休みを利用して手紙に書いてあった住所を目指す。
そこは、中学生が行くには少し遠いところ。
だけど、それでも向かった。
父には、内緒で行った。
そこは、綺麗なマンションだった。
部屋番号も分かるけど、父には言っていないため家に乗り込む訳にはいかない。
ちょうど目の前にカフェがあったため、そこからマンションを眺めていた。
必ず通るとは限らない。
それでも、待った。