願う場所、望む奇跡



「あんたが何勘違いしてんのかしんねぇけど、邪魔。そこにいること許してねぇし」



無表情でそう言う。

ただ、コイツには効かないらしい。



「恥ずかしがらなくていいってばぁ。大丈夫、分かっているから」



イヤ、何も分かってねぇけど。

恥ずかしいとかそういう感情もねぇけど。


そう思っていると、違うとこから笑い声が聞こえてきた。

それも、凄く楽しそうに。



「頭おかしーんじゃない?あんたみたいなぶりっ子、義哉が相手にする訳ないのに」



笑いながら近づいて来た主は、悠弥だった。

俺の言葉は効かないのに、悠弥に言われるのは嫌らしい。

キッと睨みつけた。



「林くんに何が分かるのよっ。口出ししないでっ」



悠弥には食ってかかるらしい。

それが、間違いだってのに。



「分かってないねぇ。
オレは、義哉の唯一の親友だよ。分からないことはないよ」




< 90 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop