願う場所、望む奇跡
「あんたが何勘違いしてんのかしんねぇけど、邪魔。そこにいること許してねぇし」
無表情でそう言う。
ただ、コイツには効かないらしい。
「恥ずかしがらなくていいってばぁ。大丈夫、分かっているから」
イヤ、何も分かってねぇけど。
恥ずかしいとかそういう感情もねぇけど。
そう思っていると、違うとこから笑い声が聞こえてきた。
それも、凄く楽しそうに。
「頭おかしーんじゃない?あんたみたいなぶりっ子、義哉が相手にする訳ないのに」
笑いながら近づいて来た主は、悠弥だった。
俺の言葉は効かないのに、悠弥に言われるのは嫌らしい。
キッと睨みつけた。
「林くんに何が分かるのよっ。口出ししないでっ」
悠弥には食ってかかるらしい。
それが、間違いだってのに。
「分かってないねぇ。
オレは、義哉の唯一の親友だよ。分からないことはないよ」