100万円の恋
「もぅ5年も前のことじゃん。あれは。忘れなよ」

香奈は呆れたように子どもをみる目でいうけど。

「あんなっ、あんなことされて。忘れられるわけない!」

憎悪が煮えたぎる。あの男だけは許せない。

あの日、いつものように一緒に私の部屋で勉強してて。

ちょっと疲れて。うたた寝して。きがついたら。

「いやぁぁぁぁぁ!」

思い出しただけでも、鳥肌がたつ。きぼちわるい。

「瞳、それ。愛情の裏返しじゃない?もしかして、奴のこと好きなんじゃ・・・」

「絶対、ない! 私は被害者よぉぉ」

いつもの、会話。だけど、香奈は。

美人でちょっぴり意地悪の香奈は。

そんな私をじれったく思って。

天使で悪魔の計画をたてはじめたんだ。
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