Jamping!
火龍side.

やっと入学式が終わり、今は水龍と二人で駅前のマックに来ていた。

真っ昼間からガラの悪い奴らもいて、チラチラと水龍を伺っている。

水龍が可愛くて気になるのはわかるけど、悪いムシはつかせない。
水龍が受け入れるヤツなら受け入れるがな。

「火龍…食べないの?ひょっとして、お腹空いてなかったの?だったら、ごめんね…。気付かなくて……。」

私があまり食べ進めてないのを見て水龍が言った。シュン…とした水龍は子犬のようだ。

「いや、食べるよ。こっちこそゴメン、心配かけて。」

ほんっと、水龍て可愛いよなー。双子かどうか疑いたくなる。なんか、昔から友だちも作るのが速かったし、中学生になった途端、告白の嵐だった。

その点私は、あまり友だちづくりが上手くないし、男子のことも負かしてたからな。
外見も水龍より劣るし。

きっと、キュンどころかイラッかヒエーて感じなんだろな。あんま気にしてないが。

「食べ終わった?この後ショッピングしない?私新しい服欲しいんだけど。」

「そだね。もうすぐ遠足があるらしいし。新しい服買っとこうか。」

うちの学校は春に学年ごとの遠足がある。

「んじゃ、モールへレッツゴー!」

水龍は元気にかけ声をあげた。
< 13 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop