地味子と学園王子の初恋
地味子ちゃんとぶつかってから、
もう2週間がたった。
「井川くん・・・ちょっといいかな?」
暑ぐるしい、7月8日。
別のクラスの女子に、屋上に呼び出された。
「あ、あの・・・!あたしと付き合って!」
えー・・・ストレートだなぁ。
「俺、好きなやつ居るから」
これでコクられたのは、79回目。
フッたのも、79回目。
「そ、そっか!ごめんね、ありがとう」
そのこは、泣きながら屋上を出た。
「泣かれてもなー……」
教室に戻ると、理遠と智里が待っていた。
「「おー、学園王子」」
「は?なにその名前」
教室に入るなり、変なあだ名を付けられた。
「お前、知らねーの?」
「知らねーって…なにが?」
「神真のこと、学園王子って呼ぶんだよ」
理遠がワケのわからん事を言う。
「俺が学園王子?」
「「そーだよ、学園王子」」
「何かその呼び方やだわ、俺じゃねーよ」
「まー、でも!学校一モテるのは確かだな」
智里は嫌味っぽく俺に言ってくる。
「るせーな…」
「ま、早く帰ろうぜ!」
そして、カバンを持って教室を出た。