【続】想われたくて…―Side story―
「ど、どうかした?」



気付くとそのコに声を掛けていた。


てか、声なんて掛けるつもり無かったのに!


しかも、どもってるしッ!


今まで女の前で、どもった事なんて有ったか!?



いつも女の子の前で見せる笑顔を出そうとしても、


どうも頬の筋肉が引きつる。



どうしたんだよ、俺は!!





「え……っと……。」



!!



気付けば……


それまで鞄をあさっていたそのコの手が止まり


俺の顔を見て、困った様に言葉を発している。



「……迎えを頼もうと思ったら……携帯が見当たらなくて……

バイト先に忘れて来たみたいなんです……。」



そう言って、恥ずかしそうにする彼女の顔は


ほんのり赤く染まり



俺の鼓動は、更に早くなった……。




< 21 / 64 >

この作品をシェア

pagetop