【続】想われたくて…―Side story―
……カワイイ。


素直にそう思った。


でも、不思議といつも思う“ヤりたい”ってのは感じなかった。



「そうか……どうすっかな。あ、俺の携帯、使う?」


普段人助けなんて、滅多にしないくせに……


俺は彼女に自分の携帯を、差し出した。


「や、そんな!イイですっ!」


彼女は胸の辺りで両手を振り、拒んだ。


携帯くらい、んな遠慮しなくてもイイのに。


「遠慮しなくてイイよ?困ってんだろ?」


俺はそう言って、更に携帯を押しつける様にして無理矢理渡す。



「……えっと……じゃあ、すみません。少しだけ、お借りします。」


彼女は頭をペコッっと下げた。




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