【続】想われたくて…―Side story―
散々飲んで喋って


時刻はもう23時。


「さぁ、帰るか!木村、タクシー一緒に乗ってくか?」


俺と木村は、家の方向が同じ。


会社の奴らと飲んだ後は、大体一緒にタクシーで帰ってる。


「あ、あたし今日は大丈夫です。

さっき会社出て、飲み行くって家に電話したら迎え来てくれるって言ってたんで。」


「なんだよぉ星来。今日うちに泊まればイイじゃねぇかぁ。」


ぷぷっ。


出た、海のお誘い。


「ダァメッッ!お姉ちゃんが、ついこないだあたしがお迎えしてあげたお礼にって、来てくれるの〜♪」


あ〜あ。


振られてやんの。


じゃあ、俺は一人でタクシー乗って帰るかな。


「イイじゃねぇかよぉ。アイツは放って置いて、俺と寝ようぜ?」


海が木村のお姉さんを“アイツ”と呼ぶのには、ワケがある。



実は、海は……


木村と付き合う前まで、木村のお姉さんと付き合っていた。


だからこいつらは、かなり色々乗り越えて付き合う事が出来たらしい。


だからこそ、いつまでもこんなにラブラブなんだよな。


「ダメ〜。お姉ちゃん携帯無くしちゃって、ずっと家で待機してくれてんの!」


あらら。


やっぱりお断りかい。


「じゃあ、お姉さん来るまで一緒に待っててやるよ。
な、海!」






……海は


完全、スネてます。





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