【続】想われたくて…―Side story―
俺が運転席の方へ向かっていると


丁度、実来チャンが車から降りた。


ドキドキドキドキ……


「ど、どうも。」


ドキドキドキドキ……


俺は、必死に緊張を隠して声をかけた。


引きつった笑顔で。


「お姉ちゃん、会社の安藤サンだよ。」


そう木村が声をかけると、実来チャンは、こちらを向いた。


「!!」


俺を見た瞬間、ものすごい驚きの表情になる実来チャン。


「実来?どした?」


海はそれを見て、不思議そうに言った。


「え?や……、この前はどうも……。」


実来チャンは、まだ驚いたまま、俺に言う。


「あぁ〜!!やっぱりこの前のコだよねぇ!?」


俺は、平然を装って大声を張り上げた。


海と木村は、口をポカンと開け、俺達のやりとりを見ている。


「ぐ、偶然ですねッッ!まさか、安藤さんが星来と海と同じ会社だなんて……。

この前は、本当にありがとうございました。」


実来チャンは、だんだんと落ち着き始めているようだ。


俺は、全く落ち着かない!


いまだに心臓が震えてる。


「安藤!?ま、まさかさっき話してたコって……!?」


海は全てを察したようだ。



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