【続】想われたくて…―Side story―
ディスプレイに映りだされたのは……



着信   伊藤



の文字。



「……チッ!」


思わず舌打ちしてしまう。


……んだよ。


よりによって、伊藤かよ!!


妙に腹立たしい。


……めんどくせぇ。


後でいっか。


俺は、着信音が鳴り響くままの携帯をそのまま閉じた。


そして、風呂場に戻る。


シャワーを頭から浴びて、全身の泡を洗い流しながら冷えてしまった体を温めた。


あ〜!


くそ〜!!



実来ちゃぁん……。




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