幽霊なキミ。
「ね、ね、生霊ってことは俺生きてるの?生きてるの?ねぇ!!」





嬉しそうにナオトはグルグルと私の周りを回った。



「うるさい!!!わかんないけどそうなんでしょ!」



わーいわーいと嬉しそうにしているナオト。



無邪気すぎるのよ……



て、そう言えば……




「なんで生きてるのに霊なの?」




私の素朴な疑問に、小躍りしていたナオトはぴたっと動きを止める。




「え?」




「生きてるなら霊になる必要なくない?」



ナオトなら恨みとかなさそうだし、納得がいかない。



「つ、椿ちゃんが好きとか?」




ナオトはマヌケな顔で言った。
 


「はぁ?馬鹿じゃないの!あんたのことなんか知らないし、東京に住んでるんでしょ?」




「近くにいたら絶対そうなのにな……」



真面目な顔でそう言う。




思わずドキッとしながら、うーんと考え込む横顔を睨みつけた。


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