幽霊なキミ。
さっさとスウェットに着替えた。



まだ怒りはおさまらない。



ほてる頬をなんとかしたいけど、ニコニコ顔のナオトは部屋から出ていく気はなさそうだ。







「……明日病院に行ってみようと思うわ。」


私はつぶやくように言った。



「え!なに!俺のため!?」



ナオトはすごく嬉しそうな顔をする。



「付きまとわれてうざいからよ!!!」



私はピシャリとそれを否定した。



それでもナオトはニコニコしていた。



こいつ、打たれ強いわ……。



「名前も分かったんだし、体に戻りなさいよ。」



「そんな、千と千尋のハクじゃないんだから……。」



「なに面白いこと言ってんのよ。みんな心配してるはずよ。」



「わぁ椿ちゃんがデレたー!」



「うるさい!」



私はスッと立ち上がった。



「どこ行くの?」



「お風呂!のぞくんじゃないわよ!!!!」



私は部屋を出てドアをバタンと勢い良く閉めた。



下の階から「椿!ドアはもっと静かに閉めなさい!!!」とお父さんの声がした。


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