幽霊なキミ。
四、助けてなんて言ってないわ!
……
私は、気づくと木々を見上げていた。
…どうやら家の裏山のようだ。
「椿ちゃん!こっちだよー!」
前を走る小さい男の子。
(あ……)
良く見れば、自分も小さい。
4歳くらいだろうか。
「待ってよー!」
私も走って、彼を追いかける。
私は男の子のことが好き。
でも。
「きゃあぁ!!」
男の子は悲鳴をあげて、転んだ。
足元を見ると、幽霊が足を掴んでいた。
私は幽霊を睨みつける。
そして、腕につけていた石のブレスレットを数珠のようにして、
「南無阿弥陀仏!」
と叫んだ。
……………