幽霊なキミ。
学校へ行く道でも、
学校についても、
放課後になっても、
ナオトは現れなかった。
(もしかして、生き返ったのかしら。)
日直だった私は、黒板消しをベランダでパンパンとはたきながら、その流れていくしろい風を見てそんなことを考えていた。
生き返った可能性がある今、私はちょっと面倒な気持ちになって、隣町の病院に行くのをやめた。
(生き返ってたら、私のこと忘れてるらしいしね。)
お父さんの言葉を思い出して、行かない理由を肯定した。