幽霊なキミ。
(少しでも寂しいと思った私がバカだった……。



こいつ、うるさいわ!!)





ナオトから逃げるように私は横に転がって、それから体勢を整えてから彼を睨んだ。




ナオトも体を起こして、布団の上にあぐらをかいた。(私の布団は座布団じゃないんだけど!)






「あんた、今日一日何してたのよ。」





自分で思ったより低くて冷たい声が出た。





「今さっき気づいたんだ。それまでどうしてたか自分でもわからない。」




ナオトはケロッとした様子で言った。




嘘をついているようには見えなかった。




「……なんでよ。」




ナオトにもきっとわからないのは分かってたのに、そんな言葉がこぼれた。




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