幽霊なキミ。
ナオトは一瞬困ったような顔をした。


けど、すぐにニヤーっと笑うと、



「椿ちゃん俺がいなくて寂しかったんでしょ?」



そう言って近づいてきた。





思わずカァと頬が熱くなる。




「そんな訳ないでしょ!!いなくてせいせいしていたわ!」



私はブンブンと虫を払うようにナオトをたたこうとするが、スカスカと通り抜けてどうしようもない。






「またまたー、嘘つかなくても俺にはわかるんだなぁこれが。」


ナオトは自信満々にいう。









「嘘じゃない!!」




私がムキになってそう言うと、ナオトはハハハと笑った。



(くっそー、こんなやつに怒らされるなんて悔しいわ!)




私は眉間にしわを寄せた。








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