幽霊なキミ。
私は布団にもどり、足だけを入れて起き上がっていた。




ナオトは重みがないのをいいことに、布団の上にうつぶせになり、両手で頬杖をつく形で私を見上げている。



アイドルみたいなポーズだなと思う私をよそに、彼は普通に話し始める。

 



「で、椿ちゃん、病院の俺はどんな感じだったの?」




足もルンルンとバタつかせて、いよいよアイドルのようだ。


ツッコミが欲しいのかなと思いながらも、



「病院ね、行かなかったのよ。」




私は普通に答えた。 




「えー!!そうなのー!?」



ナオトは驚きと批判を込めた声をあげた。






私も、ナオトがこうやってまた来るなら行けばよかったかなと思ってはいた。



でも、



「あんたが1日いなかったから、もう生き返ったんだと思って、行かなかったのよ。」




ただ、事実だけを伝えるにとどめた。




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