幽霊なキミ。
六、生きてるの?死んでるの?
それからは、毎日、ナオトは丑三つ時にしか現れなくなった。
他の幽霊は、やっぱりナオトが怖いのか見当たらない。
夜にしか現れないナオトに、私は夜な夜な起き出して、学校の話をしたり、オセロで遊んだりした。
「アンタがいた方が、他のオバケの相手してるよりマシだから遊んであげてるんだからね。」
私は悪態をつきながら黒い石を置く。
ナオトは自分では石は持てないので、白い石を置く場所を指さす。
私はそこに白い石を置き、パタン、パタン、パタンと、黒の石を白にひっくり返していく。
自分の石を自分でひっくり返すなんて……。
な、なんて屈辱なの……。
「椿ちゃんってオセロ弱いよなぁ。」
ナオトは感心したように言う。
く、悔しい。
「ちょっと、私の言ったこと聞いてた?」
私はさっき言った言葉もスルーされたのが気に食わなくてそう食い下がった。
「聞いてる聞いてる。
ありがと、椿ちゃんがいてくれるから、毎日、生きててよかったって思ってるよ。」
「あんたほぼ幽霊よ!?」
ほのぼのと言うナオトに、思わずツッコミを入れてしまった。