幽霊なキミ。
しかし、おじさんの言葉には続きがあった。




「昨日ね、東京の病院に移動したみたいですよ。」







「へっ?」







私はまた固まってしまった。







「彼女さん?残念だったね、話聞いてなかったの?」







おじさんは軽い感じで話してくる。








ふつふつと、怒りが込み上がってきた。






紛らわしいのよ!!!!!






「彼女じゃありませんけど!!?

その、東京の病院てどこなんですか!!!!!」







おじさんがすごくビビってたから、
私はすごい剣幕だったんだと思う。






本当は秘密保持でダメなんだけど、と、東京の病院の名前を教えてくれた。





私はそのメモを大事にしまい、





「ご親切に、ありがとうございました。」





嫌味だと思えるくらい深々と礼をして、スタスタと病院を後にした。

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