幽霊なキミ。
家に帰り、花束はお母さんにあげた。





お母さんは私が花束を買ってくるなんて珍しいと、すごく興味深そうだった。





私はその追及の視線に耐えられずに、打ち明けた。







「神崎直人くんのお見舞いにいったの。」





淡々と言った。






お母さんは明らかに驚いていた。






「それで、直人くんはどうだったの?」




気ぜわしげに聞くお母さんに、私は静かに答える。





「会えなかったの。昨日東京に移動しちゃったんだって。」







「それは残念だったわね……。」






お母さんの方が私よりしゅんとしているみたい。







私は、決意を示すように言った。






「週末、東京に行こうと思うわ。」



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