幽霊なキミ。
お母さんはまた驚いたような顔をしたけど、
「……気をつけていってらっしゃいね。」
そう言って微笑んだ。
「ありがとう。」
私は、お母さんのこういうところが好きだ。
私の決定を信じてくれる、優しいお母さんだ。
「お土産に東京バナナを買ってくるわ。」
「あら、私はねんりん屋のバウムクーヘンの方がいいわぁ。」
「ツウだねお母さん。」
私達は笑い合った。
お母さんは夕飯の支度に取り掛かり、
私は階段を登った。
ナオトが生きてるのが分かった今。
やらなくちゃいけないことの2つ目を、実行しなきゃ。