幽霊なキミ。

私は、涙をパジャマで拭って言う。
 




「なんで、気づいちゃうのよ……馬鹿。」



ごめん、とは、素直に言えなかった。




ナオトの為についた嘘。




私の気持ちなんか、気づかなくて良かったのに。




ナオトは泣きながら微笑んだ。





「そうやって『馬鹿』って言う椿ちゃんはとっても可愛い。


だけど、昨日一昨日は、とっても苦しそうだった。」





「……。」





「だから、考えたんだ。どうしてなのかなって。そうしたら、分かったんだよ。

俺の為に嘘ついてくれてるんだってね。」





気づかれてしまった。


なのに、なんでこんなに暖かい気持ちが流れるのだろう。





「……私もナオトにバレるくらいじゃまだまだね……。」




自白する犯人てこんな気持ちなのかなとか思いながら言うと、




「名探偵ナオトの目にかかれば朝飯前だよ。」



それが伝わったのかナオトはそうふざけた。






「……馬鹿じゃないの?」





私達は、そう言って笑いあった。
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