幽霊なキミ。
「俺、わかんないけど、戻れるように頑張ってみるよ。」
ナオトは優しく言った。
「……そうじゃないと困るわ。」
ナオトは私の言葉を聞いてハハっと笑った。
結局、その日は2日ぶりにオセロをした。
これが、二人でする最後のオセロかも知れなかった。
記憶の話はしなかったから、それを知ってるのは私だけだった。
私はただ楽しむことに集中しようとした。
……明日は(そういえばもう今日だけど)上手くいくといいな。
朝が近づいてくると、ナオトとはさよならだ。
寂しい気持ちに負けないように、
道順だけを考えて私は眠った。