幽霊なキミ。
病院の、独特な消毒薬のような匂いが鼻をかすめる。
地元とは違って、ちゃんとした受付があって、お姉さんが対応してくれた。
307号室……
それが、神崎直人の入院している部屋。
緊張してるのが、自分でもわかる。
私はエレベーターに乗って、階数表示を見つめた。
3が光って、隣にいた看護師さんも降りた。
それに続いて私も降りる。
307号室は分かれた廊下を右に進んで、テレビのある待合所を少し過ぎた先の相部屋だった。
名前の配置からすると、神崎直人は左側の窓際にいるみたい。
私は深く息をして、病室へと入った。