幽霊なキミ。
「だ、大丈夫です!あの、これ、お見舞いです…!」
私はそれに抵抗したいのもあって、お土産のおまんじゅうと花束をおばさんに渡した。
「あらぁ、こんなに気を使ってくれちゃって申し訳ないわぁ……ありがとうね。」
おばさんは花束とおまんじゅうの包を受け取ると、ベッドに横たわるその人をチラリと見て
「……じゃあ、このお花生けてくるわ。
直人のこと、見てやってね。」
そう言って私にウインクすると病室から出ていった。
な、なんなのそのウインクは……。
私はどぎまぎしながらも、ベッドサイドの丸椅子に座った。