幽霊なキミ。

ナオト……。



ベッドに横たわる神崎直人くんは、当たり前だけどナオトと同じ顔をしていた。



分かってはいたけど、ナオトが透けてないのは変な感じね……。



ナオトが実在の人物であること自体、フィクションみたいだわ。





それでも、そのフィクションは私の眼前でまざまざと存在している。
 



ナオトはまるで寝てるように、その長いまつげの瞳を閉じていた。




その脇から点滴さえ繋がってなければ、寝ているとしか思えないような、そんな顔だった。
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