幽霊なキミ。


体の左に、熱を感じる。




ナオトが、生きている。



真ん中で分かれた前髪に、長いまつげ。


整った顔で、微笑んでいる。




それだけで、泣きそうだった。






お母さんは私の感傷なんかには気づかず、


「直人くんがね、バウムクーヘン持ってきてくれたのよ!さすがセンスがいいわねぇ〜
今つーちゃんの分持ってくるわね。」



そう言って席を立った。




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