幽霊なキミ。
二人になった部屋に、無言の時間が流れる。
泣きそうになっている私に、直人は困った顔をした。
「……遅くなっちゃってごめんね。」
バッと思わず直人を振り向いて見た。
整った顔と目が合う。
遅くなっちゃってごめん?
それって、もしかして……生霊の時のこと、覚えるの!?
しかし、その期待は、意外な方向ですぐ打ち砕かれた。
直人が、ポケットから、深い青い色の石で出来たブレスレットのようなものを取り出して、私の前に差し出したんだ。