幽霊なキミ。
「なくしたんだと思ってた……。」
独り言のように私は言った。
「15歳になったら返すって約束だったのに。
ごめん、2年以上もかかっちゃった。」
ナオトは苦笑いして、私にそれを握らせた。
ヒヤッと冷たい石。
直人と私は、小さい時会っていた……。
私はそのブレスレットを見つめて、ギュッと握り締めた。
無言でいる私に、怒っていると思ったのか直人は慌てて言う。
「忘れてた訳じゃないんだよ!言い訳させて?!」
私な直人を見た。
直人は困った笑顔で私を見る。
そんな表情さえ愛おしくて、ホワッと暖かいものが心に流れてきた。