チキンとウサギ
朝、私はいつもと同じ時間にバス停へ向かう。
あまり人がこないバス停だから優雅にバスが来るのを待つんだけど、今日は違う。
なぜなら
「篠目ー、おはよ」
昨日友達になった入間蓮司くんがいるから
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バスをおりて、学校まで少し歩くんだけど、現在は登校時間真っ只中
「あ、そういえば昨日メアドとか聞きたかったのに聞くの忘れてたから教えて」
『えっ、あっいいよ、私打とうか?』
「お、頼む、俺のスマホ赤外線通信ついてねぇんだ」
私のメアドは至極簡単にしてあるからサッと打てる。
『登録しといたから、蓮司くんから送ってみて?』
「おう…送った」
『あ、届いた、登録しとくね!』
「ありがとな」
『(あ、また笑った)』
「つぅか、さっきからやたらとじろじろ見られてるような気がする」
『えっそうかな(それは多分この組み合わせに驚いてるんじゃないのかな)』
「やっぱ、男女揃って…や、なんでもね」
『??あっ、あれは…』
校門付近に私の友達の姿がみえる、が
友達は私のこの状況を見ると口パクで「邪魔したね☆仲良く☆」みたいなこと言ってた。
『(てっ、てんめぇぇぇぇぇぇ)』
「あれ、友達?いいのか行かなくて」
『えっ、あぁ、なんか急がしそーだし!』
「そーか?なんか俺のせいだったらわりぃな…」
『(あ、なんかションボリしてる…?)そ、そんな』
「俺あんま好かれるよーなやつじゃねぇしな」
ぼそりと蓮司くんは呟いた。
私は心の中で『そんな顔しないでー!』とアワアワしている。
『えっと、私は今、蓮司くんと一緒に登校してるから、ね!』
「篠目…」
『蓮司くんといると楽しいよ!!』
「お前、いいやつだなぁ」
ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃん、私何いってんだ!!!
『(穴があったら入りたい)あ、あはは』
「まぁ、なんだ、友達とも仲良くな、んで俺ともよろしくな!」
『うっ、うん!』
嗚呼、新たなる人生の幕開け…の予感がする。