サヤちゃん。
三人は呆気にとられていた。
「・・・なぁ。」
沈黙を破ったのは俺だった。
「サヤちゃんってさ、何なの?」
俺は大吾を見た。
「噂では母親に捨てられた女の子で、人間を憎んでるってことしか聞いてない。」
俺は大吾の話を黙って聞いていた。
霊などは信じないたちだ。
しかし、旧校舎から発せられる異様な空気と、さっきの優子の言葉が俺を不安にさせた。
『あなたたち、死ぬよ?』
「まぁただの脅しでしょ。あの子も趣味悪いわね。」
藍の言葉で我に返る。
「・・・だよな。幽霊なんているわけねぇし。」
そうして俺たちはいつの間にか目の前にある旧校舎の扉を開いた。
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