私の彼氏さま!!

何か躊躇ったような仕草をしてから、ポツリポツリと話し出す。


「そっか、あいつから聞いたんだ。
…京平が言ってたのが全てだよ」


「木城 夏華(キシロ ナツカ)って女にずっとストーカーされてた。
大学になったらストーカーは無くなるだろうと思ってたけどそうじゃなかった」


「俺が相手にしないとわかったら、標的を彼女である汐音にうつした。
俺は、木城に脅された。
自分と寝ろ、って。
じゃないとお前の彼女を他の男で穢すって」


「…」


ひと息つくと、続ける。


「汐音が他の男に穢される位なら、俺がやってやるって、思った。
それだけで済むなら構わないって…。

それが最善だと思ったから」


「秋くん、」


「でも。俺がとった行動は結果的に汐音を悲しませてしまった。 ごめん…辛い思いをさせてごめんな…汐音…」



くしゃりと顔を歪めて両膝の上で拳を握り、肩を震わせる秋くんの瞳からは透明な雫が頬を伝っていた。


私も唇を噛み締める。



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