私の彼氏さま!!
夕樹くん、秋くん。
ごめんなさい。
私、2人と付き合うことはできない。」
私の言葉に
2人は目を見開いたまま固まっている。
まさか、このような結果になるとは思ってもみなかったのだろう。
けど、誰よりも私が この答えを出した自分自身に驚いていた。
「私ね、秋くんは本当に好き。
照れた時に耳まで真っ赤になる所も、実はすごく涙腺弱くてドラマを見て密かに涙を流す所も、私を暖かく包み込んでくれる逞しい腕も、自分よりも周りを優先する優しい所も全て大好きなの」
「…」
「けど。
それと同じくらいに夕樹くんも好き。
人一倍頑張り屋な所も、ふいに見せる笑顔も、何に対しても真っ直ぐに向かっていく所も、困ってる人がいたら放っておけない優しい性格も、全て好き」
「汐音…」
ほんの少し、眉を下げる夕樹くん。
「だから、こんな中途半端な想いのままどちらか1人と付き合うなんて失礼すぎる。
私は、…2人とも大好きだから。
だからこそ、順番なんてつけたくない…っ」
涙が目尻から頬を伝って地面に落ちる
「ふ、2人は私にとって、すごく…
すごく、大切な人だから。
だから私は、わたし、は…ヒック」