私の彼氏さま!!



ぽりぽりと頬を掻いて空を見上げる彼は、
何かを考えて「うーん」と唸ってから
「まぁ、いま言ったことは気にしないで」
と言った。




「あははっ、変なのー!」



そう話しているうちに、気がついたら私の家の前。



「わざわざ、送ってくれてありがとうね」



助かっちゃった、と微笑むと中山くんは
一瞬にして真っ赤になった。




「ゃ、別に、当たり前の事をしただけだし」




「顔赤いよ?大丈夫?熱でもあるの??」




中山くんは、目を泳がせながらぱくぱくと口を開けたり閉じたりしている。



「~っ、なんでもないよ!また明日な!!」

「はーい、明日ね!!」




ガチャリと扉を開けると、家の中は真っ暗だった。




秋くん、まだ帰ってないのかな?

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