私の彼氏さま!!



それを首から外し、手のひらにのせると
指を開く。




その指の隙間から、スローモーションのように落ちていく婚約指輪。


床に落ちた婚約指輪は、コツンと乾いた音をたてた。






「…さようなら。
あの人と、お幸せに」





漆黒の髪を靡かせながら、部屋を出て扉を閉め、階段を下りる。


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