私の彼氏さま!!
リビングに置いてあったキャリーケースに日用品や洋服などを詰め込んで、靴を履くと勢い良く扉を開けて外へ飛び出る。
「…」
いくら、『他人』になった人の家といえど、私も長い期間お世話になった。
感謝の気持ちを込めて家に向かって一礼すると、近くの公園まで行って、とある人物に電話をかける。
「あ、もしもし?
あのさ…いまから行ってもいいかな?
…うん、うん…大丈夫、ありがとう。
じゃあ今から向かうね」
通話終了ボタンを押す。
「…ック…ヒック、秋くんの…ばか…ック」
そして何気なく見た着信履歴を全て消去して涙を拭い、目的地へと向かった。