私の彼氏さま!!
私が泣いている時、
愛羅は黙ったまま背中をトントン、と優しく叩いてくれていた。
そして、私が泣きやんだのはだいぶ時間が経ってからのこと。
ふと思い出したかのように、
「そいえば、1人で帰ったの?」
と聞かれて中山くんと帰ったことを伝えたらなぜか急にニヤニヤしだした愛羅。
「ふーん、あの中山がねーぇ…
これは時間の問題かな」
なんて事を呟いている。
何が時間の問題なのだろうと疑問に思ったけれど、なんとなく聞かない方が良いと思ったから聞かないことにした。
「あのさ、愛羅」
「いいよ」
「…え?」
きょとんとする私に向かって、彼女はニカッと笑って言った。
「泊まるところでしょ?
いいよ、泊まっても。
いつ来てもいいように準備してたし」
「ありがとう、じゃあそうさせてもらう!」
「はいよー。
とりあえず、0時過ぎたから寝ようか」
その言葉で私も布団に潜る。
「おやすみ愛羅」
「おやすみ、汐音」
そして手を握りあって静かに瞼を閉じた。