私の彼氏さま!!

がチャリ。


あ、カギが空いてる


愛羅の家の玄関扉を開けると、そこには姶良の靴があった。



「ただいま、愛羅」


「おかえりー!」


ひょっこりとリビングから顔を出す。
その手にはコンビニで買ったと思われるコーヒー牛乳のパックが握られている。


「買い物ありがとね~」

「うん、いいよ」


靴を脱ぎ捨ててドサリと荷物をテーブルに乗せると、ふぅ…とひと息つく。


「…何かあった?」


「え?」



顔を上げると愛羅の真剣な瞳とぶつかる。


「別に、なにもないよ」


ニッコリと微笑んで見せると、愛羅はたちまち怖い顔になった。


「嘘つかないで」

「嘘じゃないよ、何もないから大丈夫」


ばんっ、とテーブルを強く叩く愛羅。


それにビクッと肩がはねたのが自分でも分かった。


「じゃあなんで唇噛み締めるてるの?
なんでそんな顔してるの?ねぇ」


その言葉にはっとして唇に手を当てたら、そこはすこしだけ出血していた。


「うちには、嘘つかないで。
気を使わなくていいから、なんでも言って」


「…ごめんね」


「謝らなくていいから、…何があった?」



言うべきか、言わないべきか迷ったけれど、これ以上愛羅に心配かける訳にもいかないので、正直に言う事にした。


「実はね…」
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