私の彼氏さま!!
「汐音、おはよ」
「あ…おおおはよう夕樹くん」
何もなかったように平静を装う。
…そう決めていたのに、
教室に入るなり夕樹くんに可愛らしい笑顔で挨拶をされて、どうしても動揺してしまった。
そんな様子の私を見て、夕樹くんもほんの少し顔を赤らめた。
「おやおや、お二人さん。
いい雰囲気じゃなーい?」
「!!」
何処からともなく登場したのは愛羅。
「昨日、汐音がやけに肌艶がいいと思ったらやっぱり中山とヤッ…モゴッ」
「ちょっとっ、声大きい///」
ただでさえ声が大きい愛羅。
それなのに、こんな所でこんな発言をされたらたまったもんじゃない。
力を入れて口を塞いでいると、愛羅は手をぺしぺしと叩いて苦しさを訴える。
それに気づいて手を離すと、大きく呼吸する彼女。
「殺す気か!!!」
「ごめんごめん」
アハハと声を出して笑うと心無しか愛羅の顔が引き攣った。
「絶対 悪かったとおもってないな…
ああ、この子恐ろしいわ…」
「それで、中山」と隣にいる夕樹くんに目を向ける愛羅。
2人が話してる間に乾いた喉を潤そうと、
鞄から水筒を取り出して水分を口に含む。