私の彼氏さま!!
「うち、うち!!!!!
ちょっと、2人共うちの事忘れないでよね!」
ずいっと私と丸谷さんの間に割って入る。
「あ、悪い。
汐音ちゃんが可愛すぎて忘れてた」
「ごめん愛羅。
緊張しすぎて存在忘れてた」
「…」
無言のまま両頬を膨らませると、それを見た丸谷さんはニッコリと優しく微笑んでー…
「ハリセンボンみたいで可愛いね」
と、ひとこと。
「…それ、褒め言葉?」
その言葉に複雑そうな表情の愛羅。
「うん、すごく褒めてるよ」
「ならいいけどさぁー」
なんていう2人の会話を微笑ましく聞きながら、私も秋くんとこんな会話したよなー…と思い出してしまう。
しばらく愛羅と2人で話していた丸谷さんは
思い出したように玄関を指さしてポリポリと頭を掻いた。
「あ、ごめんね!
えーと用件は確か…
あっ、そうそう秋の事だったよね」
どうぞ入って、と促されて靴を脱ぐとそのまま2階へと案内された。
「少し散らかってるけど…
どっか適当に座っててね。
俺、何か飲み物持ってくるよ。
愛羅、なに座ろうとしてんの?
おまえは手伝い、な…?」
「えー、うちだってお客…」
「ふーん…文句言うんだ?」
愛羅のくせに、と黒い笑みを浮かべる丸谷さん。
「…喜んで手伝わせていただきます」
そして2人は(愛羅は脅迫されてたけど)飲み物を取りにリビングへと降りていってしまった。