初恋チョコレート
°•*第3章°•* 10年越しの想いを
【溢れて、溢れて】
「陽毬、大丈夫?クマすっごいよ」
「だいじょぶー」
心配する美生にヒラヒラと手を振る。
無理矢理にでも笑ってないと、どうにかなりそうだ。
あの後やっぱり優梨は帰ってこなかった。
大河も普段通り。
ただ、南野には少しだけ避けられてるような…………。
気のせいかなってくらいちょっとだけだけど、不安になる。
「陽毬」
「あ、大河。なぁに?」
「優梨帰ってきてないんだろ?探さなくていいの?」