初恋チョコレート
【初恋の君に side南野】
「あなたはいつもそうやってなんでも私に押し付けて!」
「押し付けてるわけじゃないだろ!こっちだって仕事で疲れてるんだ」
「疲れてるのは私だって同じよ!!」
その日もいつもと同じように、仲の悪い両親がケンカしていた。
毎度のことだったけど、7歳の俺はいつだって怖くてたまらなかった。
ガシャン
皿の割れる音に体が反応して震えてくる。
夏休みにも関わらず、俺の家は旅行になんか行かなかった。