初恋チョコレート


お母さんは、普段はおとなしく柔らかな人だった。

だけど、一旦怒り出すと止まらない人でもあった。


「空。絵本読んであげよっか」

「絵本ー?僕もう7歳だよー」

「いいからいいから。お母さんの大好きな絵本」


その絵本は、チョコレートの世界の話という、正直よくわからない絵本だった。

チョコレートの国では暑い太陽が天敵で、いつもみんな困っていた。

そこで一人のチョコレートが太陽と戦いうと言い出した。


『僕がみんなを守るよ』

< 219 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop