初恋チョコレート


強く繋いだはずの手はいとも簡単に離された。

まるで、俺たちの絆はこんなもんだと言われているような気がした。


「お父さん……?すぐ帰ってくるよね?」


怖くて手が震えだした。

強くなりたいのに。あの、チョコレートのように。


「そうだ、チョコ食べようっ」


絶対帰ってくる。

そう信じてチョコレートを取り出したときだった。


「うぇ………」

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